皆さまごきげんよう♪
本日は、前回に引き続き、「通気性について」のお話その2です。
さて、本来は「通気性」の存在しない構造である靴の快適さの正体は「吸汗性能」であると前号(Vol.7)で学びましたね。
サイズが緩くて合わない靴は発汗量が増えます。
プロが見てキチンとサイズのあった靴を履いてる方はとても少ないので、完璧なオーダーメイドの靴を履いてる方以外は、少なからず蒸れやすい状況であると思ってよいでしょう。
靴は週に三~四足ぐらいローテーションして履けと言われるのは何故か?
それは、吸った汗を吐き出す時間が必要だからです。
毎日履けば、いくら吸汗性能に優れた靴であっても水分を溜め込んでしまう事になるので、傷むのが早くなります。
お気に入りを毎日履きたい気持ちはよく判りますが、それを理解して休ませてあげてください。
そうしないと、吸汗性能を上回る汗をかくので不快になること「間違いなし」です。
それでは「蒸れにくい」「通気性」があると謳ってる靴についてはどうでしょう?
登山靴などによく使われている「ゴアテックス素材」は、雨(水)は通さず汗は発散するという大変便利な素材です。
ゴアテックス素材が、どういう構造になっているのかと言うと、シート状の素材の表面に無数の穴が空いています。
それは「水の分子よりも小さい穴で、尚且つ水蒸気よりは大きい絶妙な穴の大きさ」で通気性をよくしています。
考えた人はすごいですね。
素材はすごいんですけど、靴のライニング(裏地)に使われてる場合は100パーセント性能を発揮してるとは言い難いです。
実際に中身を分解して構造を見た正直な感想ですが、登山靴に関して言えば、どのメーカーも大丈夫でした。
しかし!最近は、ビジネスシューズやパンプスにもゴアテックス素材や類似製品の防水透湿素材が使用されているものが登場しています。
そういった防水透湿素材(ゴアテックス素材)にアッパーとベッタリ、接着剤で付いてたらどうでしょう?
それが売り場で見えますか?
でも、ゴアテックス素材を使用しているから嘘は付いていません。
通気性がある素材を使ってるけど、本当に通気性があるとは言ってない、みたいな(笑)
ゴアテックス素材の靴は、通気性が良いのか?
それは、バラしてみないと判らないって事なんです。
「水の分子よりも小さい穴で、尚且つ水蒸気よりは大きい絶妙な穴の大きさ」
コレはフッ素系の防水(撥水)スプレーも同じ原理のようです。
まんべんなくスプレーし、飽和するまで上手く表面を覆えば革の繊維の間にしみこんで水を通さず、革の呼吸(吸汗性能)を妨げないようになります。
ただし、効果は永久ではないので、定期的にスプレーしないとダメです。
スキー用品などのシリコン系の防水(撥水)スプレーは普通の靴に使ってはダメとされていますが、この説には疑問を抱いています。
「通気性がなくなるから」と先輩や靴売り場の方々に教わりましたが、何度も書いてるように靴には通気性自体存在しないからです。
それはさておき、フッ素系の防水スプレーは、どんな素材に使っても問題は起きにくいのです。
スプレーしてる時に液が垂れたら、素早くティッシュなどで伸ばせば大丈夫。
注意点は、スプレーを行う際は屋外でマスクをして作業しましょう。
吸い込んでしまって最悪の場合、肺水腫になってしまう危険があるからです。
( ゚Д゚)!
以上、防水(撥水)スプレーの裏に何でマスクしろと注意書きしているのか判ったところで、次号に続きます♪
▲防水(撥水)効果で、傘を思い浮かべる人が多いのでは…。
川越 一之 (かわごし かずゆき)
1969年8月1日京都生まれ、B型
ハーゲンダッツ京都河原町店の店長を突然辞め、北海道・タイ等を放浪・・・・・・・
タイではムエタイを修行。
身体のバランスを司る「親指の付け根」の重要性を知る。
タイ滞在中、偶然に出会った日本人の溶接職人の影響を受け『手に職』を強く意識することとなる。
■1996年10月、靴修理チェーン「クイックサービス」入社。枚方ビオルネ店勤務を経て独立。
■2001年9月1日『靴修理かわごし』を設立。
■2013年10月 牧野に移転オープン。
※現在は枚方市牧野で営業中。
特技:ムエタイ・コーヒー豆焙煎
趣味:アウトドア全般・料理全般・モノ作り全般
靴専門誌「LAST」11号「厳選・全国のシューケアショップ」特集 掲載
朝日新聞 2013年10月24日「靴修理の合間に絶品コーヒーを」掲載
K-CAT「お得でっせ」出演
毎日放送「ポテトなじかん」出演
関西テレビ「隣の人間国宝」出演・認定
その他メディア出演 FMひらかた・ぱどマガジンなど