大政奉還で江戸が東京に変わり、西洋文化が急速に浸透していった明治時代。
パン食の文化は徐々に根付き始めました。
その後、2つの大戦を経て、ライフスタイルの西洋化が進み、パン食は日本中に広がっていきました。
その一端を担ったのが「ロバのパン屋さん」…!
日本の高度成長期、未来に思いを馳せていたあの頃にちょっとタイムスリップしてみましょう!
【日本のパン屋さんの変遷】
◆ロバのパン屋さん
・“ロバが屋台を引いてやって来る”!
テーマソングが遠くから聞こえてくると、いつの間にか人だかりができて…!?
いわゆるパンの移動販売です。
ロバ・馬・牛などの動物が屋台を引っ張ってきて店開き…、お目当てのパンを親におねだりして買ってもらう子どもたち…、そんな古き良き時代の光景は、とても懐かしいものです!
・コンビニや大型スーパーなどがない時代…、移動販売で食料品を購入するのが主流でした。
・町に行けば公設市場などはありましたが、車が高嶺の花の時代でもあり、集落まで来てくれる行商人やロバのパン屋さんは欠かせない存在でした。
◆移動販売車
・時代とともに”ロバ”は、自転車⇒バイク⇒車に変わっていきました!
・移動販売車…と聞いて思い浮かべるのは「メロンパン」の専門店!
・20年ほど前に「メロンパン屋」の移動販売車は、各地のスーパーやイベント会場で見受けられ、焼き立てのにおいにつられたお客様が…行列を作っていました!
・最近、また…ブームになっているのでしょうか、メロンパンの移動販売車をよく見かけます!
【街のパン屋さん】
◆こだわり派のパンフリークのかたには、街のパン屋さんは無くてはならない存在!
・ハード系パンの得意な店、お洒落なスイーツ感覚のパンのお店、…そして今、旬なのが「レトロパン」のお店…!?
以前は、ショーケースに入ったパンを店の人に取ってもらう…というお店が多かったのですが…最近は、セルフで好きなパンをチョイスするスタイルがほとんどですね!
・トレイとトングで好きな物を選んで会計をするというお馴染みのスタイルです!
【ドイツのパン屋さん】
◆ドイツのパン屋さんはまだまだ対面販売が主流です!
・ショーケースには、小さめで食べきりタイプのパン「 Brötchen(ブロートヒェン)」や菓子パン類が並べられています。
・壁の棚には大型のパンが置いてあり、お客様の好みの大きさにカットしてくれます!
◆簡単なドイツ語でお買い物!
《ワンポイントレッスン》
ドイツのパン屋さんで、パンを注文する為の簡単なドイツ語をご紹介します。
・「Das bitte(ダス、ビッテ)!」…これ、ください!
・「(Ein Stück) das Brötchen, bitte.」(アイン シュトゥック) ダス ブロートヒェン、 ビッテ」!…この小さなパンを(1個)ください。
・「Ein halbes ○○Brot, bitte.」 (アイン ハルベス ○○ブロート、ビッテ)…○○パンを1/2 ください。(自分のほしいパンを半分だけほしい場合)
・「Ein viertel ○○Brot, bitte.」(アイン フィアテル ○○ブロート、ビッテ)…○○パンを1/4 ください。(大きいパンの1/4 だけほしい場合)
・「Geschnitten?」(ゲシュニッテン?)…スライスしますか?と、お店の人に聞かれた場合。
・「Ja, geschnitten、bitte.」(ヤー、ゲシュニッテン、ビッテ)…はい、スライスしてください。
※ドイツパンは固いものが多いので、自分で上手く薄くスライスするのは難しく、お店でスライスしてもらうのがポピュラーです。
【フランスのパン屋さん】
◆フランスのパン屋さんはドイツのパン屋さんと同じで、カウンター越しに店員に注文をして購入するシステムがほとんどです。
◆簡単なフランス語でお買い物!
《ワンポイントレッスン》
・フランスのパン屋さん(仏語: boulangerie ブーランジェリー)で、パンを注文する為の簡単なフランス語をご紹介します。
・「Vous desirez?(ヴ デズィレ?)…ご注文は?(店員)
・「Une baguette, s’il vous plait.」(ユヌ バゲット シル ヴ プレ)…バゲットをお願いします。
※より丁寧な言い方で言った場合のフランスパンをください。
「Je voudrais une baguette s’il vous plait.」(ジュ ヴドゥレ ユヌ バゲット シル ヴ プレ)
・「Une demi baguette s’il vous plait.」(ユヌ ドゥミ バゲット シル ヴ プレ)…フランスパンを半分ください。
・「Ce sera tout?」(ス スラ トゥ)…それで全部ですか?(店員)
・「C'est tout.」(セ トゥ)…全部です。
フランスで、バゲットは毎日の食卓に欠かせないパン。
そんな「フランス」で思い浮かぶ代表的な光景のひとつが、バゲットを小脇に抱えたフランス人の姿だったりしますよね。
パリジェンヌやパリジャンが何気なくバゲットを抱えて颯爽と歩く姿は日本人の憧れでした!
最近…日本でも、そんな姿を見かけることもあるようですが…!
日本ではバゲットをビニール袋に入れるのに対し、フランスをはじめ主にヨーロッパではパンを紙袋に入れたり一部分に紙を巻くだけの簡易包装が主流です。
日本はフランスと違い、平均気温や湿度が高いため雑菌が繁殖しやすい環境ですので、衛生面での対策からビニール袋で包装されているのです。
気候や環境の違いが、それぞれの文化を歴史とともに培ってきたのでしょう!
次回は「ケーキイッチ(サンドイッチケーキ)」です。